透析医療
50年以上、地域の透析医療を支えています
当院は透析医療のパイオニアとして1970年より透析医療を開始し、以来、長年に渡って透析医療の進歩、発展とともに歩んでまいりました。外来患者さんの増加から、2015年に外来機能を「東都三軒茶屋クリニック」に移行し、当院では通院での透析や在宅療養が困難になられた患者さんの入院を受け入れ、入院透析を提供し、透析患者さんの療養を長期にわたり支えています。
透析を受けながら長期の入院生活を送ることのできる施設は少なく、地域においても重要な役割を果たしています。
現在、当院は日本透析医学会の認定施設、日本腎臓学会研修施設となっております。
入院透析の対象となる患者さん
●通院での透析治療が困難になった透析患者さん
●透析だけでなく、食事・入浴などの生活管理やリハビリを必要としている透析患者さん
●ご家族の都合による一時的な入院透析を希望したい(介護者不在等の社会的入院)
●身の回りの世話などを支えてくれていたご家族が病気や高齢となり、ご自宅での療養が困難となった透析患者さん
など
透析医療部門の特徴
透析専門スタッフによる安心・安全で質の高い透析医療
より良い透析医療の提供を目指し、医師、看護師、臨床工学技士などの透析に従事する各専門職が協働し、一人ひとりの患者さんに適した安心・安全で質の高い透析医療をご提供します。
個別性のある透析治療
人工透析のほか、リクセル、LDL吸着、エンドトキシン吸着療法、腹水ろ過濃縮再静注法などの各種血液浄化療法に対応しています。患者さんの体調や病状に合わせて処方透析や透析条件を計画しています。
全台on-line HDF対応
on-line HDFは、高水準の清浄化透析液を大量に置換することで、通常の血液透析では除去するのが難しい分子量の大きい蛋白結合性尿毒素など除去することができます。 これにより、合併症予防効果や、透析中の血圧安定にも効果が期待できます。
治療効果を最大限発揮するために、厳重な管理体制及び関連機器の保守管理を実施しています。
病棟での透析にも対応
透析室での治療が困難な患者さんに対応するために、病棟透析もおこなっております。循環動態が不安定な患者さんや人工呼吸器装着中の患者さんなどの透析を病棟でおこなうことが可能です。
シャント管理
透析患者さんに生命線となるシャントが長持ちできるよう、当院では、エコーによるシャント管理を定期的におこなっています。異常を早期発見し、適切な時期にシャントPTA、シャント手術を受けられるよう担当医と連携しています。
フットケア
透析患者さんの足は、動脈硬化や末梢血管障害などの血液の循環不良により、健康な人に比べて足病変が重症化しやすい傾向にあります。初めは軽い症状でも、症状が進行すると潰瘍や壊疽、最悪の場合足の切断に至ることもあります。当院では、維持透析患者さんのフットチェックを定期的に行い、患者さんの足の異変の早期発見に努めています。
栄養管理
透析患者さんの予後を良好に保つためには、栄養状態を保つことが重要であることがわかっています。当院では、採血結果から、透析効率や栄養状態を評価し、一人ひとりにあった治療法やダイアライザーの見直しなどをおこなっています。
合併症予防
透析患者さんは、健康な方に比べ様々な合併症の発症リスクが高くなります。当院では、年に一度、エコーやCTなどの精密検査をおこない、各種合併症の早期発見に努めています。
関連病院との連携
シャントトラブル、下肢血管トラブルは、関連病院・提携病院で治療をおこなっています。様々な合併症・併発症に対しては、関連急性期病院との連携を図り、適切に受診・入院を行っています。
災害時の透析について
当院は「東京都区部災害時透析医療ネットワーク」の会員となっております。
当院では、災害時も安心・安全な医療を提供できるよう、事業継続計画(BCP)*を定期的に見直し、防災マニュアルの作成や防災訓練、研修をおこない、日頃から有事に備え、災害・減災対策を講じております。
東日本大震災では被災地の透析患者さんを当院で受け入れ、コロナ渦では透析患者さんを対象とした新型コロナウイルス感染病棟を立ち上げ、罹患患者さんの受け入れをおこないました。
災害時にも頼れる病院を目指し、職員一同、努力を重ねてまいります。
*BCP(Business Continuity Plan):災害など不測の事態が生じた場合でも、事業を継続していく、あるいは中断しても早期復旧を図るために、事前に対応策を準備しておく計画のこと。